特定遊興飲食店営業とは

「特定遊興飲食店営業」とは、ショーパブ、ライブハウス、ジャズバー、ディスコその他設備を設けて客に遊興をさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(客に酒類を提供して営むものに限る)で、午前0時から午前6時の間も営むものをいいます。

「特定遊興飲食店営業」の営業所は営業を始めるにあたって、「許可」を取らなければいけません。

以前は、風俗営業の第3号営業(ディスコ・ナイトクラブ)、第4号営業(ダンスホール)として取り扱われていましたが、午前0時以降の営業を可とされるに伴い、風俗営業から独立して「特定遊興飲食店営業」となりました。

 

ここでいう「遊興させる」とは、営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせる場合であり、実演者が客の反応に対応し得る状態で演奏・演技を行うようなことをいいます。例えば、以下のような行為です。

□ 不特定の客に歌手がその場で歌う歌、バンドの生演奏等を聴かせる行為
□ 客にダンスをさせる場所を設けるとともに、音楽や照明の演出等を行い、不特定の客にダンスをさせる行為
□ のど自慢大会等の遊戯、ゲーム、競技等に不特定の客を参加させる行為
□ カラオケ装置を設けるとともに、不特定の客に歌うことを勧奨し、不特定の客の歌に合わせて照明の演出、合いの手等を行い、又は不特定の客の歌を褒めはやす行為
□ バー等でスポーツ等の映像を不特定の客に見せるとともに、客に呼び掛けて応援等に参加させる行為

 

 

特定遊興飲食店営業と風俗営業

風俗営業
(第1号営業)
特定遊興
飲食店営業
許可・届出 許 可 許 可
営業時間の制限 午前0時まで 午前5時まで
接 待 ×
遊 興 午前0時まで 午前5時まで
客室面積 16.5㎡以上、
1室の場合は制限なし
33㎡以上
明るさ 5ルクス超 10ルクス超
営業制限地域 住居系地域不可 営業延長許容地域のみ
保全対象施設 距離制限有り 距離制限有り

 

特定遊興飲食店営業許可の要件

場所的要件

長崎県の場合、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例」で定める以下の地域でしか、営業所が許可になりません。

・ 長崎市本石灰町、船大工町、銅座町、丸山町1番、寄合町2番1号から4号まで、籠町2番から4番まで及び同9番、新地町1番から3番まで及び同8番から13番まで並びに浜町10番
・ 佐世保市山県町1番から5番まで、塩浜町1番から4番まで、下京町、上京町、本島町及び島地町1番から3番まで

平成30年より、上記に加えて以下の地区も対象となりました。

・浜口地区(長崎市)
・諫早駅前地区及び元町地区(諫早市)
・高島・中堀地区(島原市)
・大村本町地区(大村市)
・福江地区(五島市)

 

また、病院等の敷地の周囲20m以内の距離にある営業所は許可になりません。

 

構造的要件

特定遊興飲食店営業の営業所の構造及び設置には、以下のような決まりがあります。

 

□ 客室の面積については、1室の客室面積が33㎡以上が必要です。
□ 客室の内部に見通しを妨げる設備を設置しないこと。具体的には、仕切り、椅子の背もたれの高さは、床から約1m以下のものでなければなりません。
□ 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれ、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けてはなりません。
□ 客室の出入口に施錠の設備を設けてはなりません。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りではありません。
□ テーブル上、椅子の座面上の照度が10ルクス以下とならないように維持するために必要な設備、構造であることが必要です。
□ スライダックス(調光設備)の設置は認められていません。
□ 騒音、振動を条例で定められた数値以下に維持するために必要な設備、構造であることが必要です。

 

人的要件

申請者、管理者はもちろんのこと、法人の場合は取締役全員が以下の欠格事由にあたらないことが必要です。

 

欠格事由

□ 成年被後見人、成年被保佐人、破産者(復権を得ていない者)
□ 1年以上の懲役、禁固の刑に処せられ、刑の執行をうけることがなくなってから5年が経過していない者
□ 組織暴力団関係者
□ アルコール、麻薬、大麻、あへん、覚せい剤中毒者
□ 風俗営業取消の行政処分を受けてから5年を経過していない者。風俗営業の許可の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に許可証の返納をした者
□ 5年以内に刑法、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律、売春防止法、職業安定法、入国管理法、労働基準法、児童福祉法、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律、等で罰金刑を受けた者
□ 風俗営業の許可の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から処分の決定が降りる日までに許可証を返納した者で、当該返納の日から5年を経過しない者
□ 未成年者(相続の場合、例外有り)
□ 外国人の場合で、在留資格が日本人の配偶者、永住者、特別永住者、定住者(一部投資経営)以外の者。

 

特定遊興飲食店営業許可申請の手続き

特定遊興飲食店営業を営もうとする人は、営業所が所在する都道府県の公安委員会に対して申請をしなければなりません。

実際には、直接公安委員会に書類を持ち込むのではなく、営業所の所在地の所轄警察署生活安全担当課に正副2通の許可申請書を提出します。

また、1つの都道府県内に2つ以上の営業所を有する場合には、それらのうちいずれかひとつの営業所の所在地の所轄警察署に許可申請書を提出することになります。

尚、所轄警察署に申請書を提出してから許可になるまでに最長で55日程度必要ですので、開業のスケジュールを立てる際は、その分を計算に入れておくよう注意が必要です。

 

特定遊興飲食店営業許可の申請にかかる費用

特定遊興飲食店営業許可申請の際は、官公庁に次のような法定手数料等を支払う必要があります。

特定遊興飲食店営業許可申請 24,000円

※ 申請時、不許可になっても法定手数料等は返還されませんので、ご注意ください。

 

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